1992年発売のゲーム スーパーファミコン

FFシリーズの第5作目で、奇しくも同じ「5」であるDQ5と同じ年に発売された作品です。最大の特徴はキャラの職業を定めるジョブシステムと、行動の選択肢を設定できるアビリティシステムの2つが実装されていること。この二大要素を駆使してメンバー4人それぞれを育成していくわけですが、ジョブとアビリティのどちらもかなりの数が用意されているため組み合わせのパターンは無数に考えられ、プレイヤーごとに千差万別の戦略を立てる面白さを見事に実現していました。

前作FF4も十分に面白かったものの、最後の5人が固定メンバーかつバトルにおける各々の役割も明確に決まっていたため、戦略面においてプレイヤーが干渉できる余地が乏しかった点に関しては少しばかり不満があったりします。その時に感じたフラストレーションの反動もあったのか、アビリティの組み合わせが肝である本作の豊富なカスタマイズ性には大いに魅了されました。選択肢が膨大に存在するおかげで自分なりの必勝パターンを練る楽しさが格別で、厄介なボスは正攻法ではなく搦め手で攻めれば封殺できるなど攻略の自由度も高く、極めて高いゲーム性を誇っています。

更にジョブの多様さはシステムだけでなくグラフィックにも波及しており、クルルを含めた5人のメンバー全員に対するジョブ固有画像がそれぞれ用意されているのも凄いところ。今なら3Dモデルの衣装チェンジで対応するのでしょうが当時は2Dの時代なのでそうもいかず、攻撃・詠唱・勝利など全キャラ全ジョブ全モーションパターンに対応した膨大な個別ドットが用意されている事実からはドッターの狂気染みた職人根性を感じました。ディテールへのこだわりが凄まじい…!

対するシナリオは割とシンプルですが単調ではなく、基本的には王道ながらも驚かされる展開が随所に用意されています。特に第1世界と第2世界が融合して第3世界になるマップ構造はかなり独創的で冒険心を刺激されました。第3の物悲しいBGM+プロペラ音のユニオンは至高です!