1993年公開の映画 東映アニメーション

今や本編を一切見たことがないのにほとんどの内容を知っている人も多いであろう伝説の超映画。ブロリスト達にとっての原典であり聖典とも言える本作ですが、ブロリーMADが隆盛を極めたのはニコニコ動画が発端なので、映画の知名度が爆発的に伸びたのは2010年前後の話です。対して私は本作が上映された1993年当時に大ハマリした古参ファンであり、その愛着は近代ブロリーブームとは無関係に形成されたもの。もっとも、今はブロリーMADも好んで視聴していたりしますがw

そんなわけでこれまでに視聴してきた十数作のDB映画の中で特に思い入れの強い本作なのですが、ファンの私から見てもその内容はかなりハチャメチャな部類です。そもそもあの頃のDB映画は鉄板の流れが決まっており「敵ボスの猛攻に終始劣勢に追い込まれつつも最後の最後で一発逆転」というのが基本的なテンプレ。しかし本作は特にその傾向が顕著で、もはや「劣勢」なんて生易しい単語では言い表せないくらいに悟空達がボロクソにされます。何よりブロリーのタフネス描写があまりにもぶっ飛んでいて、たとえ至近距離からかめはめ波をぶちかまそうと一切合切ノーダメージ。かと思えば瀕死の雑魚共からパワーを吸収した途端にワンパンKOという有様で、映画としての完成度は決して高いものではないでしょう。そこに関しては私も認めざるを得ません。

しかしそういったガバガバ感も含めてエンターテイメント性があまりにも突き抜けており、たとえ完成度が低かろうともジャンクフードの如き中毒性のある面白さを嫌というほど堪能できました。過剰なほど延々とボコボコにされ続ける悟空達・急にヘタレて戦意喪失するベジータ・脳筋に見えてやけにウィットに富んだブロリーの台詞・洋画のようなパラガスの演説などなど、その見所は枚挙に暇がありません。全編通してとにかくツボにハマってしまい、TV放映時に録画したビデオテープは誇張ではなく数十回単位で観返していたほど。キャラとしてのブロリーも大好きなのですが奴が出演していても2作目3作目は割と微妙だったので、本作のバランスは本当に奇跡的でした!