出典:カウボーイビバップ

私はキャラクターに「一目惚れ」することは少なく、ストーリーを追っていくごとに少しずつ愛着が形成されていくパターンが大多数なのですが、スパイクは数少ない例外でした。第1話における行動や言動、そして「カメレオンじゃねぇんだ、そうあちこち見えねえのさ!」のシーンだけで一気に魅了されてしまい、まだ出会ったばかりだというのにファンへと変貌。山寺宏一さんが演じてきたキャラ達の中でも特段の魅力を感じており、凄まじいハマり役だったと思っています。

「ここのカジノはフィットネスまでやってるのかい?」など皮肉混じりの軽口が逐一ウィットに富んでいて、スパイクがそんな性格だからこそ作品全体に漂う「洋画のようなオシャレ感」がより一層高まっていました。基本的にはユルくて覇気に欠けていますが、だからこそ時折見せるシリアスなマジモードでは大きなギャップが発生しそれが最高のカッコ良さ。例えば「悪魔を憐れむ歌」における「気に食わねぇんだよ」なんかはその筆頭ですし、最終決戦へと赴く直前になってフェイに自身の心境を語ったシーンは山寺&林原両名の熱演もあって心底シビれました。ラストの2話が顕著でしたが、基本的にはビシャスと関わることで「昔のスパイク」へと引き戻されているようで、過去を断ち切りたくても断ち切れない強い葛藤こそが彼の魅力になっていたと思います。

彼が芝居がかった言い回しを好んでいるのは、きっと「覚めない夢に酔っていたかったから」なのでしょう。命懸けの状況に直面するのを楽しんでいる節があるのも自身の命を軽んじているのが理由と考えれば納得できますし、ヘラヘラと薄っぺらい外面の裏に人間的な深みが隠れていることに気付けばスパイクへの愛着が更にワンランク増加します。厳密には生死不明とはいえ、常識的に考えれば生存が絶望的のように見えるラストシーンはファンとして悲しかったものの、そこに至るまでの一連の流れからは美しさを感じられました。いい奴だったさ…みんなが知ってる通りのな。
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