1995-1996年放映のアニメ GAINAX

その凄まじい人気から社会現象を巻き起こした、1990年代を代表するテレビアニメ。少年が巨大ロボットに乗って戦うというオーソドックスな物語に見せかけて、実際は膨大な謎と伏線、専門用語の羅列、濃厚な心理描写などで視聴者を圧倒しにかかる極めて独創性の強い作品です。そして現代において「エヴァ」と言ったら大抵の人は令和になってようやく完結した新劇場版のことを思い浮かべるでしょうが、私にとってのエヴァは今なお原作TV版を指していたりします。厄介な老害思考だという自覚はありながら、それでもなお「エヴァはTV版こそが至高なのだ!」という意識がどうしても抜けてくれません。それは私自身がシンジ達チルドレンと同世代だった少年期にTVシリーズ全26話を視聴し、その時に受けた圧倒的な衝撃が私の脳を延々と焼き続けているからです。

同じアニメを何度も繰り返して観ることは少ない私なのですが、本作は比喩ではなくビデオテープが擦り切れるレベルで見返し、冒頭の第1話などは「避難勧告をするモブの音声放送」まで含めた全台詞を暗唱できるようになったほど。キャラにもメカにも世界観にも設定にも限りないまでに魅了されて設定資料集や考察本を買い漁るなど、これまでに見てきたアニメの中でもトップ争いをするほどに熱中しました。人によっては「エヴァは面白いけどラストの2話はさすがに手抜きだよな!」などと批評するかもしれませんが、私の場合はそれらも含めて肯定している生粋のファン。だってあの凄まじく内向的でネガティブな心理描写がねっとり描かれたからこそのエヴァじゃないですか!

もちろんそうした湿っぽい描写だけが売りではなく、使徒との戦闘パートにはロボアニメとしての熱い見所がきっちり詰め込まれています。特にイスラフェル戦は30分という限られた枠内において使徒出現・出撃・敗退・特訓・親交・再出撃・撃退という流れがハイテンポで構成されており、まさに芸術的な完成度。人間ドラマの面白さも随一で、少年少女のみならず成人組さえ「大人な子供」だらけですが、完璧とは程遠い人間臭いキャラ達だったからこそ最高に魅力的だと思っています。
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