1995年発売のゲーム PlayStation

MYSTシリーズの初代作品。元は米国産のPCゲームであり、その後SSやPSに移植されて日本でも発売されました。ゲームのメインとなる謎解き要素は感動するほど緻密に作られていますが、それゆえに全体的な難易度はかなり高め。頭をフル回転させれば答えに辿り着けるようにはなっているものの、しかし「分からないから適当に総当たり」といった安易な手段が通じる甘さは無く、とにかく必死に考える以外にクリア方法が存在しないシビアさこそが本作最大の魅力だと言えます。

私がプレイしたのはPS版でしたが、まず驚いたのはその美麗すぎるグラフィックです。ゲーム業界にプレイステーションというハードが登場した直後のソフトであったにも拘らず、20年後の水準から見ても大きな違和感が無いCGは圧巻の一言でした。実写のようなリアルさによって物語への没入感が増し、長時間プレイしていると本当に「その世界」へ入り込んだかのような錯覚を覚えたほどです。

ですがオーパーツと言えるほどの美しいグラフィックですらMYSTにとってはあくまで副次的な要素でしかなく、本作最大の魅力はやはり謎解きの面白さという一点に集約されます。当時はインターネットの黎明期ゆえに攻略サイトなど存在しなかった(存在していても易々とは閲覧できなかった)時代で、すなわち頼れるものは己の頭脳ただひとつ。紙とペンというアナログ機器を用いて大量のメモを取りつつ進めていくプレイ感覚は、現代では決して味わえない唯一無二の体験でした。

数多の謎解きに付随したゲーム内の世界観も、本作の魅力を一段階引き上げている要素。リアルとファンタジーとが混じり合った島の空気感は独特で、物陰から怪物が飛び出してくるわけでもないのにホラーゲームのような怖さを感じたほどです。むしろ生き物の気配が一切感じられないからこそあの世界に自分一人しか存在しない状況への本能的な恐怖を覚えたのかもしれません。人の悪意を煮詰めたようなバッドエンドも主人公の境遇を想像すると発狂モノで、背筋が凍る思いでした。
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