昭和生まれの古参オタクによる推し語り

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推しキャラ語り 89人目:カール・アウグスト・ナイトハルト

出典:ロマンシング サガ -ミンストレルソング-

原作であるSFC版ロマサガ1におけるナイトハルトは、正直言ってほとんど印象に残らないくらい影が薄いキャラでした。基本的にはアクアマリンとタイニィフェザーのイベントで僅かに言葉を交わすだけですし、アルベルトかアイシャが主人公なら専用イベントがあるものの、どちらも序盤のワンシーンに過ぎないためクリアする頃には存在を忘れています。一応は名前が設定されているというだけで、原作の彼はRPGに良くいる「名も無きお城の王様」程度の存在感しかありませんでした。

ですがミンサガにおいて殿下の3Dモデルが作成され、関連イベントが増え、正式なパーティ加入も可能になり、そして何より極めて独特なボイスが付与されたことでずっと秘められてきたその魅力が大爆発。主人公8人のように原作から目立っていたならともかく、前述の通り元はモブにも等しい立ち位置だっただけに、ロマサガからミンサガへの移行に伴う存在感の急上昇っぷりで比較するなら殿下のそれは突き抜けていました。「ああいう勇気は匹夫の勇」「標準語は分かるか?」「行くぞー!」など、台詞自体の言い回しにはことさらおかしな箇所が無いにも拘らず、その絶妙な抑揚と演技によって単なる棒読みとも違う奇跡的な味わい深さを発揮しています。「デッデッデデデデ!(カーン)」でお馴染みの殿下のテーマが妙に主張してくるのも今となっては笑いどころ。

しかし殿下が単なるネタキャラなのかと言えばそれは違い、ミームを抜きにしてもその人物像は非常に魅力的だと思っています。彼は世界平和を目指す正義の王ではなく、あくまでローザリアの繁栄を第一目的としているため、結果として苛烈な態度を見せることもしばしば。そうした部分もクールで趣があるポイントではありますが、かと言って殿下はただ冷血なだけの施政者ではないのが重要で、それが如実に示されたのが終盤の「これが分からない」のシーンでした。帝国の動きを警戒して派兵に慎重な姿勢を見せつつも、そこで尻込みしたり、あるいは楽観視して無策で突撃するような殿下ではありません。帝国に使者を送って兵を引かせ、ひとたびそれが成ったなら自らが先頭に立ってクジャラート救援のために出撃するなど時には世界のために義をもって動くことも厭わず、人の上に立つ君主としてのカリスマ性は絶大。殿下をパーティに加えてサルーインに挑んだ時の「神と人の違いが力の差だけならば、神の存在など不要だ!」はネタ抜きでカッコイイ台詞だと思います。

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