2005年放映のアニメ AIC A.S.T.A.

2005年に放映されたロボットアニメですが、放映開始まで詳しい作品内容を隠し通すという珍しい宣伝戦略が行なわれたため、当初はロボットモノとは思われていませんでした。痛快娯楽復讐劇というキャッチコピーが掲げられており、復讐モノという暗くなりがちな題材に反してストーリーの雰囲気は明るく爽快。主役のヴァンも仇討ちを目的としていながら鬱々とした性格ではなく、過剰なシリアスにはなり過ぎない適度なバランス感覚こそがガンソードの大きな特徴かつ魅力になっています。

その作風はエンターテイメント復讐物語とでも言うべきか、一見すると適当なノリで進んでいくアニメに見えて、実際は視聴者にストレスを与えないよう緻密に配慮された演出が組まれています。「復讐なんかやめよう! 殺された人はそんなの喜ばないぞ!」という綺麗事を真っ向から叩き伏せつつ、ひたすら仇を目指し脇目も振らず突き進むヴァンの生き様は爽快感抜群で、復讐をテーマとする創作におけるひとつの完成形とすら思えるほど。メッツァにメッツァメッツァにされた時には僅かに心が折れかけたとはいえ、ヴァンに「復讐をしようかしまいか…」という中途半端な葛藤が無いのも好印象を抱く部分です。最終局面においても一切躊躇せずカギ爪を一刀両断したりと物語に一本筋が通っており、題材はセンシティブなのにモヤモヤしないのが気持ちいいポイント。

単なる一発キャラかと思っていた海の男カイジが最終回で再登場したり、どう見ても幕間のお色気ギャグにしか見えなかったミズーギィ王国のエピソードに重要な意味があったりとプロットの構成が非常に丁寧で、まさか次回予告のナレーションまでもが伏線だったとは驚きました。シナリオだけでなくキャラ魅力も高く、復讐鬼でありながらどこかユーモラスなヴァンはもちろん、敵であるカギ爪の生理的な気持ち悪さもラスボスとして理想的な造形です。もう一人の主人公のような立場のレイ兄さんもカッコ良いですし、特に「選べ! 命を取るか、夢を守るか!」は作中トップの名シーン。OPのチェス…も歌詞の無いアニソンとしてはトップクラスに好きだったりして、全体的な総合力が高い作品でした。
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