2001年発売のゲーム PlayStation 2

ファイナルファンタジーシリーズの第10作目で、PS2で発売された初めてのFF。物語の舞台に水中や水上が多く絡んでくるため旧ハードでは難しかったリアルな水の表現が多用され、その美麗さは私を含む多くのゲーマーを魅了してくれました。FFシリーズで初めて声優によるキャラボイスが実装されたのも大きな特徴で、口パクや喜怒哀楽といった繊細な表情も綿密に描写されるなど特にグラフィック面での進化が著しく、最新機種の性能をこれでもかとアピールしてくれた伝説的なRPGです。

本作はPS2の初期に発売されたにも拘らず後期作品にも劣らないクオリティを誇っていたので、ある意味ではオーパーツのようなソフトだと思っています。私自身もPS2の購入直後にプレイしたのが本作だったため、新世代ゲーム機の性能とスクウェアの技術力とには心底驚愕させられました。発売前は懐古丸出しで「FFにボイスなんて邪道だろ!」とか言っていたものの、いざ実際にプレイしてみればそのドラマ性の高さにすぐさま魅了され「やっぱ声があると臨場感が違うな!」とあっさり手の平返しをする始末。実を言うとシステム面には苦手な要素が多く、普通にクリアする程度の進行度ではあまり拡張性が無いスフィア盤や、雷平原200避けを代表とする苦行のようなミニゲームに対してはそれなりに不満もありました。しかしその反面シナリオやキャラクターといった部分には凄まじいまでの感銘を受け、それら物語の魅力で多少のマイナス要素など吹っ飛ばして心から熱中。プラマイを合算して総合的に評価するならプラスが圧倒的に上回るので、FFシリーズでも上位の推し作品だと胸を張って言うことができます。

いきなり見知らぬ世界に転移するティーダにプレイヤーの心境をシンクロさせる物語の構成は、あまりに見事と言う他ありません。ゲームを始めたばかりの私がスピラの一般常識を知らないようにティーダもまた世界の風習や慣習を何も知らず、彼と同じ目線で物語を追っていくことで没入感と一体感とが強烈に促進。冒険の中でどんどん感情移入が深まっていき、無我夢中になってストーリーを追い続けました。オープニングからザナルカンドまでの道中全てが回想シーンになっているという構造も素晴らしいポイントで、あの場面に「戻ってきた」時の感動と衝撃は唯一無二。序盤はもちろん終盤になっても物語の面白さが陰ることはなく、陽キャの権化みたいなティーダが悲壮な運命に翻弄されていく様子には強烈に涙腺を刺激されました。
関連コンテンツ
前後の推し作品