1992年発売のゲーム スーパーファミコン

ドラクエシリーズの第5作目。SFCで発売された初めてのDQであり、FCだった前作までと比べてあらゆる要素がパワーアップしています。多くの魅力を挙げられますが、やはり特筆すべきはストーリー面。元々DQは主役に感情移入しやすいよう作られているシリーズではあるものの、中でも本作は生誕・成長・結婚・出産と主人公の人生を丁寧に追体験していくため没入度合が抜群で、極めて高い水準での一体感を味わうことができました。特にサラボナの結婚イベントはゲーム史に残るほどの語り草になっており、原作発売からウン十年が経過した今ですらビアンカフローラ論争がたびたび話題に挙がるほど。プレイヤー自らが結婚相手を選択し、そうして選んだ花嫁と双子を伴い、家族全員で一緒に冒険するという物語により果てしないほどの情動を喚起されたものです。

面白いのはシナリオ部分だけでなく、そのゲームシステムにも魅力が満載です。前作から人数が少なくなったことで一部から不評意見もあったスタメン3人という仕様ですが、私はむしろ逆の評価。4人であれば「勇者・戦士・僧侶・魔法使い」といった安定した構成にもできますが、本作は少人数だからこそ攻守に完璧な編成を採ることが難しく、だからこそ戦闘シチュエーションに応じて細かくメンバーチェンジする戦略上の意義が生まれています。その戦略性と密接に関わるのが仲間モンスターシステムで、ランダム要素が絡むこの仕様のおかげでダンジョンやボスの攻略法が固定化されず、何度プレイしても楽しめる作り。周回のたび「今回はコイツを主軸に起用してみるか!」と新鮮な感覚で冒険でき、飽きることなく幾度も周回することができました。

本作は後にリメイクも作られましたが原作SFC版の時点で10周近くプレイしており、これはシリーズ全体から見てもトップを争うほどの回数です。ゲームの周回数と愛着とは必ずしも比例するものではありませんが、本作に関してはそこに間違いなく相関性があり、外伝まで含んだDQ関連作品全ての中でも最上位の愛着を抱いているのがこのDQ5。シナリオもシステムも音楽もキャラクターも全てが色褪せない輝きとして深層心理に刻まれており、マイベストRPGを選ぶ時には間違いなく候補に挙がる名作です。
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