昭和生まれの古参オタクによる推し語り

昭和から令和まで! 古参二次元オタクが、歴代の推しゲーム・アニメ・マンガ・キャラの感想やレビューを書き殴っています。

推し作品語り 106作目:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲

2001年公開の映画 シンエイ動画

クレしん映画は作品ごとに味わいが異なり、それぞれの方向性に応じて印象的な一作があります。例えばエンタメに振り切った映画なら「ヘンダーランド」が一番面白かったですし、アクション要素を重視して評価すれば「嵐を呼ぶジャングル」が一番でした。ですが最も心を動かされた作品というカテゴリーであれば、やはり私はこの「オトナ帝国」にこそ一票を投じます。

広く「名作」と呼ばれるような映画は、いつの時代でも楽しめる普遍的な面白さを内包している作品も数多いものです。しかし本作に関しては少々趣が異なり、21世紀を迎えたばかりの2001年に公開されたからこそ120%の魅力が発揮されていたのだと思っています。1990年代を生きてきた我々の世代にとって「21世紀」という響きは近未来の象徴でしたが、しかし実際2000年が2001年になったところで突然に何かが一変するわけでもなく、夢に見ていた未来世界とは程遠い平凡な現実が続いていました。それゆえ未来に希望を抱けなくなったからこそ過去を懐かしむイエスタデイ・ワンスモアの思想には共感できる部分がありますし、だからこそ「懐かしさ」という魔性の誘惑を振り切り今を生きることを決意するひろし達の姿がより高潔に映ったのです。

基本的にはプラスの意味で使われることが多い「古き良き時代」や「ノスタルジー」といった言葉に秘められている、ネガティブな側面に言及しているのも本作の特徴。序盤に風間くんが何気なく口にした「懐かしいって、そんなにいいものなのかな…」は凄く心に残った台詞ですし、これこそが本作のメインテーマなのかもしれません。中盤まではクレしん映画特有の不気味な空気感が蔓延し、特に幼児退行した大人達の行動や言動には生理的な気持ち悪さがあって、普段は心強い味方のひろし達までしんのすけを蔑ろにする描写は見ていて胸が痛みました。ですが本作の真骨頂はやはり物語の後半、幼稚園のバスで20世紀博に乗り込んでから以降の展開でしょう。そこから先は名場面と名台詞のオンパレードで、中でもひろしの回想と階段を駆け上がるしんのすけは今でも語り草になっているほどの伝説的な名シーンです。幾度も見返した結果、前者の回想はもはやBGMを聴くだけでも涙腺が緩むほどですし、後者では感情のボルテージが大爆発。ひろし・みさえ・シロが身を挺して時間稼ぎをする中で、幾度も転倒し鼻血を出しながら全力疾走するしんのすけの姿は、いつ見ても強烈な情動を喚起させられるのです…!

関連コンテンツ

sin-otaku.com

前後の推し作品

105作目:大乱闘スマッシュブラザーズDX

107作目:From TV animation ONE PIECE トレジャーバトル!

 

歴代推し作品語り まとめページ