1996年公開の映画 シンエイ動画

クレしん映画は2000年代初頭までしか追っておらず履修したのは7~8作程度なのですが、その中でも一二を争うほどの思い入れを抱いているのが本作です。初めて触れた時からその圧倒的な魅力の虜になり、録画したビデオは幾度も繰り返して視聴。おかげで「ヘンだヘンだよ、ヘンダーランド~♪」というテーマソングのメロディーが、今なお脳裏にこびり付いたまま離れてくれません。

起承転結それぞれに思い入れの強い場面はありますが、中でも特筆するならば中盤のス・ノーマン・パー襲来パートがお気に入りです。巧みに人心を掌握して周囲の信頼を勝ち取り、幼稚園のみならず野原家にまで来訪する不気味な敵。あの日常がジワジワと侵食されていく感覚はクレしん映画お馴染みの恐怖演出で、ゾクゾクするような緊張感を味わえました。また単なるホラー展開では終わらず、その後にアクション仮面達を呼び出してのレイドバトルは最高の面白さ。「家が壊れるかもしれないけど、カンタムパンチを使ってもいいかい!?」「火事になるかもしれんが、アクション・ビームを使わせてくれ!」と聞いておきながら、しんのすけの返事を待たずに必殺技をぶっ放すシーンとかほんと好き。寝返ったぶりぶりざえもんがス・ノーマンに無言で蹴り飛ばされた後、しんのすけ達にもフルボッコにされる流れなどはいつ見ても吹いてしまいます。

そしてヘンダーランドと言えば、令和になっても語り草になっているクライマックスの追いかけっこについて触れぬわけにはいかないでしょう! 立体的で複雑な建造物を走り回る野原一家とオカマ魔女とを追っていくカメラワークは縦横無尽に変化し、両陣営が織り成す一進一退の攻防を魅せつけるダイナミックな描写は迫力満点。シーンの途中には長回しのカットがあったり、ひろしの名刺やマカオ達のサスペンダーを利用した大爆笑の頭脳プレイがハイテンポで挿入されたりと演出の完成度も神懸かり的です。あまりの面白さとそれに伴う強烈な満足感により、たった2分ちょいのシーンであることが信じられないほど濃厚な時間を堪能することができました。エンタメ性に振り切った名作です。
関連コンテンツ
前後の推し作品