2002年発売のゲーム PlayStation 2

クロックタワーシリーズの、現時点における最新作。前作までの開発元だったヒューマンが倒産したため、本作はカプコンなど別会社が権利を引き継ぎ制作されたものであり、クロックタワーの名を冠してはいますがゲームの雰囲気は大きく異なっています。そのため旧作ファンを中心として賛否両論が巻き起こり、シリーズの黒歴史扱いをされることもしばしば。ですがアクションホラーとして極めて異彩だからこそ凡庸な作品とは一味違う独特の吸引力があり、私はその魔性の魅力にこそ惹き付けられました。

クソゲーやバカゲー呼ばわりされることも多く、しかもそう罵倒される理由が無いわけでもないため、ファンである私ですら「甘んじて汚名を受け入れるしかあるまい…」と納得しているのがこの作品です。しかし世間的な論評はともかくとして、個人的な好みだけで言うならかなりの魅力を感じているのは紛れもない事実。私は現状発売されている1~3とゴーストヘッドの全てをクリア済みというシリーズファンなのですが、正直なところ最もハマったのはこの3かもしれないのです!

確かにホラーゲームとしての恐怖感は高くないため、その観点で評価するならば微妙と言わざるを得ません。ですが本作は全編を通してミュージカルのような演出が多く、ホラージャンルでありながら正反対とも言えるシュールなシーンが連発されるので、こと独創性という切り口から評せば他に類を見ないレベル。例えば斧男などはあまりにもハイテンションなので、殺人鬼から追いかけられるという極限状況にも拘らず、その甲高い奇声を聴くだけで思わず笑ってしまいました。

下手に中途半端な塩梅にせずアクセル全開で大仰な表現へと振り切っているため、リアルな怖ろしさは無くともシンプルに「楽しい!」という感情を強烈に喚起され、結果として本作そのものに対しても好意的な印象を抱くに至ったのです。もちろんこれは私がシュールな演出を好むがゆえの感情なので、万人に当てはまるものではありません。ですがこのオリジナリティに溢れた内容は唯一無二の味わいだと思っており、ネタではなく大好きな作品だと胸を張って言うことができます。またゲーム性や雰囲気は大きく変化したとはいえ、シリーズの根本にある「抵抗力に乏しい主人公が殺人鬼から逃げ隠れながら進む」という基本コンセプトは形を変えつつ維持されているため、ホラー要素も皆が酷評するほどには悪くないと思っていたり。いくら全体的には面白い演出が多いとはいっても、硫酸男の所業なんかは残虐過ぎて一切笑えないですしね…!
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