1997年放映のアニメ サンライズ

初代・2・3、そしてシティーハンター'91と幾度もタイトルを変えながら断続的に4年以上も続いたテレビシリーズも1991年に放映終了。原作漫画も同じ年に完結したためリョウさんの姿を見る機会が失われて久しい1997年に制作された、いわゆる「テレビスペシャル」に分類されるのがこの作品です。しかし90分という放映時間は映画さながらでクオリティも非常に高く、これなら劇場で公開しても十分に通用したのではないでしょうか。1990年代後半に計3作が制作されたテレビスペシャルは全て視聴したものの、その中でも頭一つ抜けて没入させられたのが本作でした。

原作漫画やテレビシリーズではギャグとシリアスとがバランス良く混在しているシティーハンターですが、本作は全体的にシリアス成分が強めで、特に中盤以降は緊迫感のある展開が延々と持続します。しかし通常放送とは違うスペシャル版だからこそシリアスに偏重したストーリーが希少性を高めており、ヒリヒリとした空気感を強く味わうことができました。まるで洋画のような展開も散見され、サブタイトルの「Goodbye my sweetheart」が敵ボスからゲストヒロインへ宛てた言葉というのも非常にスタイリッシュ。劇中では「Goodbye my …」までしか判明せず、改めて題名を思い返すことでその意味を咀嚼できるという構図は極めてハイセンスだったと思います。

敵役のプロフェッサーが極めて魅力的な人物だったこともまた、本作への高評価に強く影響しています。残虐非道な大犯罪者ながら「悪の美学」を感じさせる姿勢が最高にクールで、本作限りの単発ゲストであるにも拘らず山寺宏一さんが演じた数多のキャラ達の中においても上位に位置するほどの強烈な印象を残してくれました。最終決戦の舞台が走行中の山手線というのも新宿をホームグラウンドとするCHの世界観に相応しく、心震えるほどに燃える展開を堪能。リョウとプロフェッサーとの実力が拮抗しているために屋根上での銃撃戦も車内での格闘戦も一進一退の攻防となり見応えが甚大で、開戦から決着までの緩急あるバトル模様は何度見ても手に汗を握りました。「パイソンはいい銃だ…6連発であることを除けばね」は倒置法の使い方があまりにもキマり過ぎていて、今でもずっと忘れられない台詞です。
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