出典:幻想魔伝 最遊記

最遊記は外伝やRELOADなど様々な派生が存在する作品ですが、私は漫画の無印とアニメの幻想魔伝を履修しただけなので、全体からすると「にわかファン」なのは間違いありません。ですが思春期全盛だった当時の私にとって、この作品はほとんど劇薬のようなものでした。特に幻想魔伝は私が最遊記コンテンツに初めて触れたデビュー作だったため猛烈にハマり、メインキャラ4人全員から多大な影響を受けたものですが、その中でも特に心を奪われたのが八戒です。基本的には人当たりが良く温和な好青年ながら、ツッコミの切れ味は鋭く毒舌気味で、極めつけはCV石田彰。穏やかさと頑固さとが同居しているような絶妙なキャラ造形には強く惹き付けられ、私の心は鷲掴みにされました。あの三蔵と対等以上の舌戦を繰り広げられるのが荒っぽい悟浄ではなく、一見優しげな八戒だという事実がたまりません!

他の3人と違って武器を用いず、気功を用いた体術専門というのも特別感があってスタイリッシュ。バリアや治癒といった八戒固有の役回りも多いので、どのエピソードでも空気にはならず常に何かしらの活躍をしている印象があります。カフスを外した妖怪形態もまたカッコ良く、斉天大聖状態の悟空にすらなんとか張り合えるなどその力量は作中最上位。この妖怪化は作中でもほとんど描写されず、超サイヤ人のように「戦闘中は常に切り替えて戦う」ような汎用的な変化ではありませんでしたが、極めてレアな形態だからこそ最終手段としての絶大な浪漫が秘められていました。

本作の登場人物は敵味方ともに暗い過去だらけとはいえ、中でも八戒のそれは突き抜けて悲惨で、あまりにも壮絶過ぎるがゆえにアニメ版ではかなりマイルドに改変されていたほどです。しかしマイルド化してさえけっこうエグいレベルですし、原作漫画版のそれは筆舌に尽くしがたいほどに凄惨でした。ですがあれだけの過去を経験したにも拘らず本編においてはニコニコと温和に振る舞っている八戒の姿からは、影を抱えながら生きる男の魅力を強烈に感じられた次第です!
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