1995年発売のゲーム PlayStation

ロボットを動かして敵軍と戦っていくシミュレーションゲーム。最大の特徴はロボが無人機ゆえに自分で操作することはできず、移動や攻撃など全ての行動がソフトウェアによる自動制御で行なわれるという点です。様々な条件分岐を組み合わせながらの入力作業は、あたかもプログラミング言語を記述しているかのような感覚。より強力なソフトウェアを模索しながら構築する工程は非常に独特で、他のゲームでは体験できない特別な快感が存在します。その面白さを理解できるかどうかのハードルは高く人を選ぶのは間違いありませんが、しかし本作のシステムにひとたびハマり込んだ私のようなプレイヤーは、その独創的な内容に魅せられ強烈に没頭することになりました。

構築処理に慣れないうちは、それこそ「射程内に敵がいれば射撃、いなければ前進」という基本動作を作るだけでも苦心させられます。しかし多少こなれてくると今度は熱中しすぎて知恵熱が出るという有り様で、強力かつ汎用的なプログラムを組むため頭をフル回転。敵機の距離と位置とを索敵、射線上の障害物確認、味方機への誤射防止、残弾と機体温度をチェックしながらの射撃、敵弾に対する回避行動、撃破後の誘爆予防などなど、こだわり始めたらキリがありません。かといってチップは無制限に配置できるわけではないため、限られたスペースの中でどれだけ容量を食わず、それでいて少しでも効果的な動作を目指して試行錯誤する過程は半端ではない面白さです。

そんなわけでカルネージハートにハマっていた時期は、モニターの前で黙々とソフトウェアを弄り続けるというエンジニアのような生活をしていた私。同じく本作の魅力に囚われた理系の友人が近くに居たので、2人で自慢の機体を持ち寄りプログラミングの腕を競い合ったのは良い思い出です。続編のゼウスもゲーム内容は順当に進化していたのですが、やはり初めてこのシステムに触れた瞬間のインパクトが忘れられず、思い入れが強いのは初代である本作。華やかな登場人物など存在しない薄暗い画面でひたすらチップを羅列し続ける、そのマニアックな空気感は唯一無二でした。
関連コンテンツ
前後の推し作品